旅

　引き籠もりから経済効果の政策になって旅の話が出てきました。
秋の旅は良いなあ。何処かに行って自然の空気を吸いたいなと思う。
と言っても特に行きたい場所も無い。
ふと思い出しました。
舅は日露戦争に駆り出されて足に撃たれた銃弾がまだ入ったままと言う陸軍傷痍軍人だった。
そのせいで一生国鉄は無料と言う恩典が有って、時折東京の自宅から出掛けて居ましたが、面白いのは必ず各駅停車の普通車でゆっくりと外の景色を眺める旅で、息子達が旅費を出すから速い汽車にして下さいと言っても変えない人でした。
恩給もあるからと言いながら、亡くなった戦友に申し訳ないとぽろっと口にして居たから日露戦争の記憶を亡くなるまで引き摺っていたのかもしれません。
実はその舅に最も似ているのが島津成晃なんです。
沢山の孫の中で一人だけ顔かたちがよく似ていて血ってこういうものかしら。
旅は色々ですね。

彌　叡