マグカップ

　今年は諸々を整理して、新しい自分を始める時なのか、一生のうちで何回か訪れる点のような時かもしれない。
そんな大袈裟じゃないけれど、五十年使ってきた御飯茶碗が真っ二つに割れ、プレゼントしてくれたお気に入りのマグカップが傷だらけになってしまって、使える状態でなくなってしまって。
やむを得ず買いに出掛けました。
これから何年かの多分最後のマグカップ、あちこち見たけれどピンとこない、ふと昔よく行った銀座のあの店に行ってみようと思い立ち、参りました。
有りました！
私の好きなブルーのよい形のカップ!一寸予算オーバーだけど、私が最後まで使う物だから思い切って。
何だか嬉しい。
世の中いろいろあって、嫌なこともあるけど薫り高いブルーマウンテンをこのカップで頂いたらスーツと落ち着きそう。
同じ様にあちこち欠けてしまっているデザート用の陶器は、買い替えられないほど高価だから、大切に戸棚の飾りにしておきましょう。
一緒につき合ってくれた彼女、有り難う。

彌　叡